JR長崎本線を跨る道路橋、市民の架け橋を守る!

橋りょうの老朽化問題は無視できない

高度成長期以降に整備された公共事業の構造物の老朽化は、大きな社会課題となっています。

コンクリート構造物も人と同じで、単純に年月が経過したからといって劣化するわけではなく、経験する環境の変化や、蓄積された疲労などによって劣化していきます。国は適切な維持管理を実施し、構造物の長寿命化を図る取り組みをすすめています。

佐賀県佐賀市にあるJR長崎本線を跨る道路橋でも、平成27年に橋りょう点検が実施され、損傷が確認されました。

今回は橋りょうの損傷がどの程度のものなのかを詳細に調査し、その結果をもとに補修設計を実施します。橋りょうの長寿命化を図り、利用者の安全安心を確保することが目的です。

見落とし厳禁!

調査は、橋りょうの1部材・1部分ごとに目視で行います。さらに必要と判断した部分は、コンクリートをドリルで採取して品質試験を行い、綿密に検査していきます。

そして、損傷の種類や程度・主な要因を判断材料とし、道路橋として機能に支障が生じる可能性がある、早期に対策すべきところを抽出します。

今回の調査では、6か所見つかりました。その他にも、予防策が必要な場所も多数ありました。

調査結果をきちんとまとめて、部分ごとに補修設計を行います。

対策が必要な部分は全て補修設計

損傷の種類や度合いに合わせて、補修箇所の図面と補修方法を詳細に示して、施工業者さんが分かりやすいように設計していきます。

崩壊の芽を摘む!

道路橋は多くの市民が毎日通勤・通学に使用し、日中も多数の車が行き交う生活において重要な場所です。また橋の下には、JR長崎本線が通っており、多くの人がそこを利用しています。そのため、老朽化に伴う崩壊等は絶対にあってはなりません。

どうしても構造物の老朽化は進んでいきますが、長く安全に利用し続けるために私たちの業務が大切な役割を担っていると考えています。