鳥栖市豪雨災害の復旧工事に光を!難問に挑む。

豪雨災害の復旧が始まったが…

佐賀県鳥栖市の川で、平成30年7月の豪雨による災害の復旧工事が実施されました。

しかし、工事中に2度も崩壊が発生し、作業がなかなか進まず工事は難航してしまいます。工事の遅れはさることながら、工事中の崩壊で作業者も危険にさらされてしまいます。そのため、工事中に崩壊することなく安全に災害対策工事ができる方法を検討し直す必要がありました。

2度の崩壊原因を探る

まず、復旧工事関係者に学識者を交えて現地を調査します。

その結果、復旧工事に使用している重機の振動が地面に影響を及ぼし、さらに雨水の侵入により地盤の一部の強度が、工事前の調査時と比べて低下したと判断されました。

調査結果を踏まえて計算をし直すと、崩壊斜面の傾斜を当初の設計より2倍程度緩くすることが必要だということがわかりました。

4つの課題を乗り越える

現場は、復旧工事に使用している重機の振動、雨水の侵入、地下水、地盤強度の低下という課題を多く抱えており、それらの課題を同時に解決することが必要でした。そこで、鋼鉄でできた仕切りである鋼矢板を、川と斜面側とを挟むように設置するのが最適だと判断し設計しました。

そして鋼矢板締め切り案として、安全面・経済面から採用となりました。

地道な努力を忘れない

長い年月を経て、土地の性質は様々な要因で変化します。それが災害の原因となることもあります。また、土地に手を加えた時に思いもよらない事態が起こることもあります。その要因を1つずつ仮定・検証して、対策案を複数用意することは大変な作業です。すべては地域の人々の安全のため!という想いがあるからこそ、担当者も頑張れたのだと思います。