73mの道が土砂で埋没。復旧を急げ!嬉野市

豪雨により斜面が崩壊

2019年(令和元年)8月、長崎県・佐賀県・福岡県を中心に記録的な豪雨災害に見舞われました。特に佐賀県では、50年に一度の災害と呼ばれ、今まで体験したことのない大雨に見舞われ、各地で甚大な被害を出しました。

その大雨の影響で、嬉野市の林道わきの斜面が崩落し、73mにわたって道路が多量の土砂で埋没しました。

すべてが土砂で埋まり…

元の状態を目視で確認することができないため、崩壊した土砂や石、倒木による二次災害に注意しながら1箇所ずつ丁寧に測量します。

図面と測量成果をすり合わせて、現状を知るところからが設計のスタートです。

土砂や崩壊した舗装の撤去から

73mにわたって被災しているため、設計には道に堆積した土砂や瓦礫、倒木の撤去を計算に入れ、道路や擁壁には撤去した土砂を再利用する計画にしました。

また地面を形成した後はコンクリートで舗装を行い、転落防止用のガードパイプも設置するよう設計します。

途方もないように思えることも一歩ずつ

災害が起きた時、惨状を見たら復旧は途方もないものに感じます。ここから元に戻せるのだろうか…と。しかし、1箇所ずつ調査するべきところを調査し、必要な測量をして、その成果から復旧工事の設計を行うことが復興への第一歩となります。

そして設計では、実際に現場を工事する業者が行う作業をイメージしながら、工事車両の行き来・崩壊舗装の取り壊し・土砂の処理・コンクリートの打設等の計画を立てます。

私たちが設計した1つ1つが今後の復旧の手順となり、復興への指針となるかもしれません。

これからも気後れせずに真摯に向き合っていきたいと思います。