唐津市24の河川を守るために
さらなる崩壊を起こさないために
唐津市の浜玉地区で河川各所の調査をしました。川の流れで削れている面や崩壊している箇所は、さらなる崩壊や事故につながるため、河川を流れる水のエネルギーを吸収・分散させるように護岸等の整備が必要です。
24の河川に様々な問題
調査の結果、護岸整備が必要な箇所は24あり、石積みの老朽化で不安定になっている堤防や、崩落したまま復旧がされていない護岸、舗装されておらず新しく舗装計画が必要なところもありました。そういった護岸は崩壊や浸食の危険性がより高まっています。
また川底が削られすぎて周囲に影響が出始めている河川や、河川内に草木が繁殖しすぎて水の通りが悪くなり、川の機能が正常に保てないところもありました。
今回調査した河川には、豪雨等で流れる水量が増えた時に、繰り返しあふれてしまっている川もあります。
それぞれ、個別に対策工法を検討する必要がありました。
様々な条件から最適な設計を
未舗装の堤防に関しては、舗装を計画するために横断測量を行い、堤防は川底より1m程度深くなるように設計しました。また、上流や下流の状況を考慮し、堤防の傾きも決めました。
堤防の背面への排水は重要で、5㎝ほどの水抜き穴を2~3㎡に1箇所設けます。また、堤防の上部分が道路になるところでは、車等の通行より負荷がかかり、護岸の安定性に影響するため、通常河川では使用しない裏込コンクリート(堤防のブロックと背面の土との間にコンクリートの板を入れる)を取り入れました。
普段目に留めない川にこそ
小さな川でも小さな綻びを放置していると、ひとたび豪雨が発生すれば、その綻びから崩壊が始まり人々を大きな危険にさらしてしまうかもしれません。危険の芽を人知れず無くしていく業務だと思うと、やりがいと責任を感じます。