圧倒的パワーの土石流をどう防ぐ!?

集中豪雨で治山ダムが被災

令和元年の集中豪雨により土石流が発生しました。土石流をせき止めるために複数配置された治山ダムにより被害は抑えられているものの、さらに上流部では大量の土砂、転石、立木等が不安定な状態で堆積しました。被災した治山ダムの早急な復旧と治機能改善が必要になります。

さらなる土石流の危険

治山ダムの鋼製部分が折れ曲がって機能不全となりました。ダムの上流部では大量の土砂、転石、立木等が不安定な状態で堆積しており、さらなる雨で土石流が再度発生した場合、治山ダムの倒壊や下流側の被害拡大の危険性があります。

工事車両の通り道から設計

山腹部では既存の道路もガードレールごと流され、上流側では被災されている治山ダムまでの道はなく工事車両が入れないため、仮設道路から設計します。土砂を撤去し、山腹部の修復を行いました。「谷止工たにどめこう」という治山ダムにより上流側の土砂を受け止め下流側の被害を防ぐよう、渓流全体の被災状況からダムの位置を決め、傾斜、流量、土砂量などから計算し設計しました。

山を治める

土石流は大量の土砂、大きな転石、多くの立木を巻き込み下流まで一気になだれ込むため、その破壊パワーは計り知れません。そのために治山事業では治山ダムを設置して被害を抑えています。

今回はその役割を果たし崩壊した治山ダムの復旧、さらに上流部に残る土砂の撤去の設計が主な業務でした。災害による人的な危険を抑えつつ、自然と共存するための治山事業は、災害の甚大化にともない今後も欠かせない業務になります。